2007.03.27 カンコーホームルーム 【Vol.14】「中高生のいじめに関する意識調査」
このところ子どもたちのいじめについて、盛んに報道されています。文部科学省の発表によると、平成17年度の公立学校におけるいじめ発生学校数は7,378校、発生率は19.4%となっています。10年前の平成7年度のいじめ発生学校数2,579校、発生率34.1%と比べると数字的には減少傾向にあります。しかし、これはあくまで報告があった件数であり、報告されていないいじめもあるかも知れません。今回は、いじめに関する意識や実態について生徒たちの声を聞いてみました。
調査概要
- 調査対象:全国の中高生602名(中学生302名、高校生300名)
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2007年1月~2月
いじめについてどう思う?
いじめは「とても悪いことだと思う」という回答が70.3%と大半を占めており、「どちらかと思えば悪いと思う」と合わせると9割以上の生徒がいじめに対して「悪い」という意識を持っているといえます。
いじめをなくすことができる?
いじめをなくすことが「できないと思う」という生徒が多く、次いで多かった「どちらかといえばできないと思う」と合わせると約7割の生徒が「いじめをなくすことができない」と考えているといえます。
いじめの相談相手は?
いじめを受けたことがある生徒にいじめを受けているとき、誰に相談したか質問したところ、「学校の先生」「母親」という回答が最も多く、それぞれ39.1%でした。次いで「誰にも相談しなかった」という回答が36.0%と多くなっています。誰にも相談しなかった理由としては、「心配をかけたくなかった」、「仕返しされるのが怖かった」、「恥ずかしいことだと思い、人には言えなかった」などがあげられました。
今回の調査では、多くの生徒が「いじめは悪いこと」だと考えているにも関わらず、「なくすことはできない」と思っているという結果が得られました。しかし、「(いじめをなくすことは)不可能ではないと思う」、「生徒の悩みを聞いてあげるような人がいたら少しはよくなるのでは」といった意見の生徒もいました。
実際にいじめられたとき、誰にも相談しなかった生徒が3割以上いましたが、いじめを受けたとき人に相談をしたことのある生徒の中には「解決に向かう糸口が見つかった」、「担任の先生がメールアドレスを教えてくれて学校でいえないことも相談でき助けてくれた」という生徒もいます。いじめを受けていることを誰かに伝えるのはつらいことかもしれませんが、勇気を出して誰かに相談してほしいと思います。いじめは大人が見ていないところで発生していることが多く、把握することが難しい問題です。まず、先生や親が子どもたちにとって相談しやすい環境を作り、常に周囲に目を配って、いじめを察知することが早期解決への第一歩です。そして、いじめられた側・いじめた側両方の心のケアをしてあげることが大事だと思います。
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