2026.07.28 カンコーホームルーム 【Vol.246】小学生の夏休みの栽培学習

夏休みになると、多くの小学生が学校で育てた植物を家庭へ持ち帰り、その成長を観察します。大人にとっても、小学校時代の栽培学習を思い起こす時期かもしれません。栽培学習は、植物を種や苗から育て、その成長の過程を観察する学習です。では、現在の小学校ではどのような栽培学習が行われているのでしょうか?今回は、全国の小学校の教員556人を対象に、栽培学習を通じて児童に身につく力、栽培している植物や指導上の課題について調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の小学校の教員 556人
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 実施時期:2026年6月
1.栽培学習で児童に身につく力
栽培学習によって児童に身につく力は、「命や自然を大切にする心」(70.7%)が最も多く、次に「小さな変化や成長に気づく観察力」(65.8%)、「毎日忘れずに世話をする責任感」(59.4%)、「開花や収穫の喜びから得る達成感」(57.2%)が続きました。植物を育てる体験は、子どもたちが生命の営みに直接触れ、日々の変化を観察しながら、命を大切にする心や責任感、達成感を育む機会になっていることがうかがえます。また、「うまく育たない原因を考える力」(18.0%)という回答からは、思いどおりに育たない経験から原因を考え、試行錯誤する力も育まれているようです。

【図1】植物の栽培学習を行うことで、児童に身につく力はどのようなことだと思いますか。(複数回答)
2.栽培している植物
栽培学習で育てている植物は、「朝顔」(29.8%)と「ミニトマト」(18.5%)が他の植物を大きく上回りました。これらは、発芽から開花・結実までの変化を夏休みの期間に観察しやすく、児童が植物の成長を実感しやすい教材として選ばれている傾向がみられます。続いて、「トマト」(8.5%)、「サツマイモ」「ホウセンカ」(ともに3.2%)、「キュウリ」(2.8%)など、夏に生育する植物が多くあげられました。

【表1】 「栽培学習」で育てる植物は何ですか。主に育てている植物名を1つお答えください。(自由回答)
3.指導・運営上の課題や負担
植物の栽培学習の指導や運営で課題や負担に感じていることは、「長期休み中の毎日の水やりや観察の負担」(52.3%)が最も多く、約半数の先生が回答していました。続いて、「天候や日当たりによる生育のばらつき、枯れる」(36.9%)など、自然を相手にする学習ならではの難しさに加え、「学校と家庭間で持ち帰る際の荷物が重い」(31.5%)、「教材費用の保護者負担」(14.7%)、「家庭での置き場がない」(14.6%)など、学校だけでなく家庭にも負担が生じている実態もうかがえました。

【図2】 植物の栽培学習の指導や運営において、課題や負担に感じていることは何ですか。(複数回答)
小学校の栽培学習は、明治時代の学校教育で導入されたといわれています。子どもたちが植物を育て、開花や収穫までの一連の体験を通して学ぶ教育活動として、長く受け継がれてきました。しかし、近年の厳しい猛暑や生活環境の変化によって、この教育活動にも新たな課題がみられるようです。
今回、全国の小学校の教員556人を対象に、植物の栽培学習を通じて児童に身につく力を聞いたところ、「命や自然を大切にする心」(70.7%)、「小さな変化や成長に気づく観察力」(65.8%)、「毎日忘れずに世話をする責任感」(59.4%)、「開花や収穫の喜びから得る達成感」(57.2%)などが上位となりました。植物の成長という生命の営みに直接触れ、収穫や開花の喜びを味わう体験を通して、豊かな情操や道徳性を育む教育活動として高く評価されていることがうかがえます。さらに、「うまく育たない原因を考える力」(18.0%)という回答からは、失敗や予想どおりにいかない経験を通して、原因を考え、工夫する力につながっていることもわかります。栽培学習で育てている植物は、1位「朝顔」(29.8%)、2位「ミニトマト」(18.5%)、3位「トマト」(8.5%)となりました。続いて、「サツマイモ」「ホウセンカ」(ともに3.2%)、「キュウリ」(2.8%)などの夏に生育する植物があげられました。一方で、小学校の先生が感じている課題も明らかになりました。最も多かった課題は、「長期休み中の毎日の水やりや観察の負担」(52.3%)でした。続いて、「天候や日当たりによる生育のばらつき、枯れる」(36.9%)、「学校と家庭間で持ち帰る際の荷物が重い」(31.5%)、「教材費用の保護者負担」(14.7%)、「家庭での置き場がない」(14.6%)など、猛暑や気候変動、生活環境の変化などにより、これまでと同じ方法で継続することが難しくなっている現状も見えてきました。
栽培学習は、植物を育てることを通して命の大切さや責任感、観察力などを育む教育活動として、今もなお大きな意義を持っています。今後も、その教育的な価値を大切にしながら、時代に合った栽培学習のあり方を考えていくことが求められています。
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