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プレスリリース

2024.08.06 プレスリリース 【調査報告書 配布開始】『多様性を配慮した制服の導入効果の検証』 お茶の水女子大学 内藤先生とカンコー学生工学研究所の共同研究 過去6年間で制服変更を検討した441校の中学校が回答 「多様性の意識の向上」や「気候への適応行動」などが効果・影響としてあがる


子どもたちと学校を取り巻くさまざまな社会課題を解決するスクールソリューションカンパニーの菅公学生服株式会社 (本社:岡山市北区駅元町、代表取締役社長:尾崎 茂 以下:カンコー学生服)のカンコー学生工学研究所は、国立大学法人お茶の水女子大学(東京都文京区大塚、学長:佐々木泰子以下:お茶の水女子大学)グローバルリーダーシップ研究所、特別研究員:内藤 章江氏と共同で「多様性に配慮した制服の導入効果の検証」の調査・研究を行い、調査報告書をまとめました。調査対象は2018年から2023年に制服変更を検討した中学校です。本報告書は、制服に関する多様性の配慮の実態を知り、学校教育をはじめ、広く社会で活用していただくために、調査にご協力いただいた学校、ご要望のあった学校・教育関係者などに7月下旬ごろより配布開始しています。

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カンコー学生工学研究所では、「カラダ・ココロ・時代・学び」の4つの視点で学生を見つめ、調査・研究、商品・サービスの開発を行ってきました。性の多様性においては、いち早くジェンダーレス制服の開発や、GID(性同一性障害)学会※1にブース出展し、当事者のお話を伺ったり、当事者団体にアンケートを依頼したりなどして、制服や学校環境に対する意見や思いを聞いてきました。2022年3月には「制服におけるLGBTQの生徒への配慮とこれからの制服に求める役割・機能性に関するアンケート調査レポート」を発行しています。その間にも、多くの公立中学校で、詰め襟学生服、セーラー服という性差のあるアイテムから、性差の少ないブレザータイプへの変更が進みました。学校制服を製造・販売するメーカーとして、カンコー学生工学研究所として、学校制服変更後の効果や状況を調査し、制服づくりに生かしたいと考え、この度、共同研究を実施し、調査報告書をまとめました。本報告書は学校関係者を中心に無料配布を行い、内容は今後、カンコー学生工学研究所サイトでも公開予定です。カンコー学生服は、これからも「すべての子どもたちが心身ともに快適でいられる制服」を目指し、取り組みを続けてまいります。

※GID(性同一性障害)学会・・・2019年当時の表記で、現在は日本GI(性別不合)学会

■調査報告書

「多様性を配慮した制服導入効果の検証」2024年6月発行

■調査概要
〇調査対象:過去6年(2018年~2023年)に制服変更を検討した中学校(2027校)
〇調査方法:Googleフォームを用いた質問紙調査(WEB調査)
〇調査期間:2023年12月中旬~2024年1月中旬
〇有効回答数:441校/2027校(有効回答率:21.8%)

■調査項目
1.着用している学校制服と着用状況
・「女子向けスラックス」導入前後における男子・女子生徒の制服
・「女子向けスラックス」着用状況「2023年時点)
・男子のセーラー服着用状況
・男子のスカート着用状況

2.学校制服の変更・追加導入による期待と効果
・学校制服の変更・追加購入(女子スラックスの導入含む)により期待した効果
・学校制服の変更・追加購入(女子スラックスの導入含む)後の様子

 

公開予定のサイト:https://kanko-gakuseifuku.co.jp/lab/

■調査結果 一部抜粋 
●学校制服の変更・追加導入(女子スラックスの導入含む)により期待した効果
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学校制服の変更・追加導入(女子スラックスの導入含む)により期待した効果は、「多様性意識の向上」「ジェンダー意識の向上」「制服の機能面の充実化」が高かった。

 
 

●学校制服の変更・追加導入(女子スラックスの導入含む)後の様子
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導入後の様子(効果・影響)は、期待の高かった項目に加え、「気候への適応変動」や「制服の選択・着用における躊躇の排除」が多くみられた。



■お茶の水大学 グルーバルリーダシップ研究所 特別研究員 内藤 章江 コメント
 
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近年、多様性への配慮・対応として学校制服に女子向けスラックスやブレザータイプの制服を導入する動きが急増しています。しかしながら、導入後の着用実態や導入による効果、導入後の学校の様子の変化については検討・確認がされておらず、可視化もされていません。これらを明らかにすることは、学校制服に多様性を配慮・対応する意義や必要性を明示し、生徒らが安心して着用したい学校制服を選択・着用できる環境を整備することにつながります。これらの実現に必要な知見を得るために、全国の中学校(約2,000校)を対象に多様性を配慮した学校制服の導入効果に関する調査を実施しました。本調査の結果が学校制服における「多様性配慮」とは何であるのか、何のために制服を変更しアイテムを追加するのか、今一度考えていただくきっかけとなれば幸いです。

<プロフィール>
2008年よりお茶の水大学リーダシップ養成教育研究センター、グローバルリーダーシップ研究所 特任講師を経て現職。博士(学術)。専門分野は被服心理学、被服意匠・色彩学。衣服・着用者・着用場面の相互関係が着用者自身や周囲に与える心理学・生理学的影響に関する研究に取り組み、近年(2020年~2022年度)では、愛知県一宮市「みんなの制服プロジェクト」委員会 委員長として市内中学校の新制服導入の取り組みに従事。著書に「装いの心理と行動」(共著)、「生活の色彩学」)(共著)などがある。

・愛知県一宮市「みんなの制服プロジェクト」委員会実施報告書 
https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/kyouiku/gakkoukyouiku/gakkou/1060162.html

(QR読み込みでもご覧いただけます。)

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■カンコー学生工学研究所 所長 川井 正則 コメント

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性別、着用シーン(通学、勉強、運動など)の垣根を超えた新しいかたちのスクールユニフォーム「USME」

カンコー学生工学研究所では従来より、ジェンダーや感覚過敏などさまざまな多様性をもった子どもたちが快適に過ごすことができる、制服・体操服を研究・開発しています。制服づくりで子どもたちの学校生活がよりよいものになればという思いを持っていましたが、多様性に配慮した制服の、採用後の効果について調査するのは初めてでした。今回の結果から、子どもたちひとりひとりが「自分らしく」過ごすことの多様性に配慮した制服が一助となれていること、また、まだまだ課題があることが見えてきました。全ての子どもたちが心も身体も快適に過ごせるように、ものづくりはもちろん、セミナーや講演会を通して、お手伝いできればと思っています。

■これまでのアンケート調査レポート・報告書

〇多様なセクシャリティを認め合う学校環境のために
概要:LGBTQ当事者を対象とした調査

〇多様なセクシャリティを認め合う学校環境のために Vol.2
概要:中学生・高校生の生徒を対象とした調査

〇制服におけるLGBTQの生徒への配慮とこれからの制服に求める役割・機能性に関するアンケート調査レポート
概要:本リリース内容、公立中学校を対象とした調査

※無料ダウンロードについて
これらの資料は菅公学生服「Teacher With」サイトにて無料でダウンロードいただけます。
https://kanko-gakuseifuku.co.jp/teacher-with

■カンコー学生工学研究所とは
子どもたちを「カラダ」「ココロ」「時代」「学び」の4つの視点で見つめるカンコーの「学生工学」という考え方。この考えのもと基礎研究を行い、時代性、子どもたちの成長、嗜好などを調査し、新たな価値を創出することが私たちカンコー学生工学研究所の使命です。
また社外にも門戸を開き、思いを共にする企業や研究機関と共創することでこれからの活動をさらに深め、学生たちや保護者の方々、学校・地域社会の皆さまが求める 「学生にとって本当に価値あるもの」を創出していきます。そして、その先にある安心で快適な学生生活の実現を目指します。

サイト:https://kanko-gakuseifuku.co.jp/lab/

■菅公学生服株式会社
1854年(安政元年)創業。学校制服・体操服を通じて、子どもたちと学生生活を支えるすべての人々に寄り添い、さまざまな社会課題を解決するスクールソリューションカンパニーです。