プレスリリース
2018.11.12 プレスリリース 「社会問題を解決する制服」を生徒が企画し、企業が製作、 岡山商工会議所青年部の社長が指導・講評! ーMPS「SHIN制服プロジェクト」中間発表会ー
菅公学生服株式会社(本社:岡山市北区駅元町 社長:尾﨑 茂)は、平成26年度より、岡山県立岡山南高等学校 服飾デザイン科(所在地:岡山市北区奥田 校長:延原 良明)が主催する「産学連携実学体験プロジェクト(MPS)」の連携企業として、協同でキャリア教育を推進してきました。
本年度は、現在日本が抱えている社会問題(地方の衰退・資源の枯渇・在日外国人の増加・多様性が求められる社会等)に、対応・解決する制服を考える商品企画を生徒が行い、菅公学生服にて3つの企画の制服を試作いたしました。10月27日、完成した「SHIN 制服コンセプトモデル」の披露と、岡山商工会議所青年部 会員から講評を受ける中間発表会が行われましたのでご報告させていただきます。また、この後、3つの企画の中から最優秀作品が選考されます。
今後は、この度発表の3つの企画をどのように地域社会に提案していくことができるかの検討を行ってまいります。3つの企画制服は、10月末から12月にかけて開催の菅公学生服のスクールソリューションフェア2019(東京・名古屋・大阪・福岡)で展示を行います。
左:「地方の衰退」に対応制服 中:「在日外国人の増加」に対応制服 右:「資源の枯渇」に対応制服
日時:平成30年10月27日(土)13:30~14:30頃
場所:岡山県立岡山南高等学校 多目的教室 「南の森」(商業棟1F奥)
岡山市北区奥田2丁目4-7 TEL:086-224-2226
内容:
① 「SHIN 制服プロジェクト」のプロジェクト概要報告(生徒代表)
② 「SHIN 制服コンセプトモデル」発表およびプレゼンテーション(生徒代表)3つの企画デザインの試作制服をファッションショー形式で発表
③ 「SHIN制服」講評(岡山商工会議所青年部 会員より)
岡山南高校の延原校長先生は、「文部科学省公示の新学習指導要領では、知識を得るだけでなく、実学や実習、社会との連携などに力を入れていこうとしている。そういう意味ではこの活動は最先端の教育活動なので、生徒たちはしっかり力をつけて欲しい」と冒頭の挨拶をされました。
実行委員長の高橋さんは、「今年度のテーマでは、社会問題を分析し、制服の企画と解決策を結びつけることが難しく、たくさんの時間を話し合いに費やしたが、この企画を通じて物事をあらゆる角度から見つめる大切さを学ぶことができた」と述べました。
【「SHIN 制服」コンセプトモデル発表およびプレゼンテーション】
2班の作品のコンセプトは「年齢を重ねるごとに進化し、長く着続けられる制服」。対応・解決すべき社会問題「資源の枯渇」に取り組んだ。現状把握の中で、化石燃料の大量消費と服の大量消費・大量廃棄に注目した。在学時にはセーラー服として着用でき、卒業後にはセーラーカラーの衿を外してフォーマルウエアとして着続けることができる制服を提案。服の大量消費・大量廃棄を防げる。また、素材はトリアセテート(半合成繊維)を使用してるため、化石燃料の消費量を減らすことができる。スカートはフレアースカートで布の量が少なくて済む上に、フォーマルでの着用にも違和感がない。背中にはベルトがついており、シルエットを変えることもできる。
4班の作品のコンセプトは「参差錯落(しんしさくらく)~世界はひとつの共同体~」。対応・解決すべき社会問題「在日外国人の増加」に取り組んだ。在日外国人の増加に伴い、宗教に対して理解ある社会が求められている。中でもイスラム教は他宗教との目に見えてわかる違いがあり、その宗教を尊重できる制服を企画した。日本人とイスラム教徒の生徒どちらも着られる同一デザインにし、デザイン的にはヒジャブ(肌見せ防止のために着用する布)を着用しても制服だとわかるようリボン位置を低めに設定してある。また、スカートはジャンパースカートで着丈を長くし、ゆったりとしたシルエットで肌見せを防止している。生地は、どんな肌の人にもなじみやすいグレー×ブラウンチェック柄を採用した。
8班の作品のコンセプトは「“神”対応制服~地元を愛する女子高生~」。対応・解決すべき社会問題「地方衰退、消滅都市」に取り組んだ。地方で暮らす人々が都市部に移動することで地方の活気や産業が衰えてしまう。都市部と地方の人口格差が大きくなっている問題を解決する制服を考えた。人口移動の解決策として、若者が好み、都会的でかわいい制服を導入することで地元の学校に通ってもらい、高校生によって地方に活気を取り戻す。また、地方での交通事故は油断しがちな市街地で多いことから、安心安全にも配慮した。スカートは、自転車通学が多いため、めくれ対策にラップスカート風キュロットを採用。ブラウスの袖はボタンで取り外し可能にし、夏服と冬服を兼用にした。また、暗い道での事故防止のため靴下のラインに再輝反射糸を使用。ジャケットは防寒対策として発熱機能を追加。箱ポケットにはスカート生地と同じチェック柄を使用するなどデザイン性にもこだわった。
【講評】 岡山商工会議所青年部 会員より
・岡山商工会議所青年部 平成30年度 会長/
三洋エンジニアリング株式会社 代表取締役社長 塚本 晃久氏
このような機会を岡山商工会議所青年部に与えていただいたことに御礼申し上げる。7月末にはデザイン画だったものがこの3か月で現実の商品としてできあがったのは、生徒の皆さんの一生懸命な情熱と思いが菅公学生服の皆さんに伝わったからだと思う。2年生でこのレベルで活動されていることに本当に感心した。この後採点するのは心苦しいが、今回はデザインやアイデア等を見ながら採点させていただきたいと思う。
・株式会社創作屋 代表取締役社長 池田 修二郎氏
各班のコンセプトや目指すテーマに向けての考え方、アイデアが素晴らしかった。本当に皆さんが頑張って、実際にこの形にまでするのは大変だっただろうと思う。3つの班はどれも甲乙つけがたい内容だったが、すごくよい活動をしてこられたと思うので、この機会を忘れずにこれからも色々考えてやっていただきたい。
・株式会社ビザビ 執行役員ヒューマンリソース局局長 寺坂 秀之氏
皆さんがここにいたるまでには、おそらく多くのアイデアを出し尽くすぐらい出したからこそ、この3作品が残ったのではないかと思う。これからも素晴らしいモノづくりを頑張ってもらいたい。
・岡山菅公学生服株式会社 常務 深田 誠二
生徒の皆さんは苦労もあったと思うが、よくここまで形にされたと感心している。本当に難しいテーマだと感じていたが、素晴らしいアイデアだった。本日発表の3つの班以外もしっかりと問題に向き合って考え、頑張られたと思う。向き合った経験を胸に刻んでこれからも頑張っていただきたい。
終わりのご挨拶として、岡山南高校の長谷川副校長先生からは「本日の発表は立派で堂々としており、それぞれの想いが詰まった制服について発表することができた。このあと最優秀作品が決まるがそれで終わりではない。せっかく40人で考えた素晴らしいアイデアをもっと何か形にできないか、後半のMPSで考えてもらいたい」と述べられました。