プレスリリース
2023.02.20 プレスリリース セーラー服に合うハイウエストのストレートパンツが完成!多様性に配慮したアイテムを高校生とカンコーが連携して開発
子どもたちや学校を取り巻くさまざまな社会課題を解決するスクールソリューションカンパニーの菅公学生服株式会社(本社:岡山市北区駅元町 以下:カンコー学生服)は岡山県立岡山南高等学校(所在地:岡山市北区奥田 以下:岡山南高校)と連携し、服飾デザイン科主催「産学連携実学体験プロジェクト(Minami Practical Science 以下:MPS)」を推進しています。この度、2021年度企画「岡山南高校のセーラーに合うベストパンツコーデを考えよう」から開発した女子スラックス、男女共通ベスト・カーディガンが、2023年春から実際に着用開始されることになりました。
現在の制服(セーラースタイル)に合う女子スラックスと男女共通カーディガン・ベスト
MPSは、岡山県の主要産業である繊維・服飾業について専門的に学んでいる岡山南高校 服飾デザイン科の生徒たちが、企業が行っている活動を体験することで、自身のキャリアアップや産業の活性化につなげようとするプロジェクトです。カンコー学生服は、2014年度より連携企業として協同でキャリア教育を推進してきました。
今回、導入決定したアイテム案は2021年度のMPSでスタートし、「現在のセーラースタイルを維持したまま、セーラーに合うパンツコーディネート」を検討しました。多様性への配慮や環境対応を考慮し、生徒の皆さんが学校生活をより快適に過ごせるようになることを目指したものです。コーディネートの一環として、カーディガン・ベストの導入も発案されました。
その発案を引き継ぎ2022年度には、女子スラックスは企画からの試作を繰り返し、デザイン、仕様等の調整を行いました。カーディガン・ベストについては男女共通アイテムとして制服検討生徒プロジェクトチーム(2年生代表生徒9名)で検討が進められてきました。
MPS企画が基となり完成した女子スラックスと男女共通カーディガン・ベストは2023年度春より、新入生および在校生で着用が始まります。決定まで、プロジェクトにかかわった生徒はもちろん、中学生や在校生へのアンケート、生徒着用モニターなども実施し、多くの生徒の声や思いが反映されたアイテムです。
カンコー学生服は、全国の制服変更のノウハウや女子スラックスのシルエットデザインなどの知識と経験をもとに「ものづくり」のサポートを行ってまいりました。「より快適な学校制服を」という課題を生徒の皆さん自身が発見し、課題解決の過程でご協力できたことをとてもうれしく思っています。これからも、「持続可能な社会の創り手」の育成に貢献できるよう、子どもたちの夢と学びを応援してまいります。
【岡山県立岡山南高等学校 3年 妹尾 歩佳さん(2021年度MPSで女子スラックス企画を経験)】
セーラー服にパンツスタイルという、これまで考えたことがなかったテーマに取り組むことで新しい気づきがありました。デザイン面だけでなく機能的な面でもさまざまなことを考えたので、MPS活動を通して、視野が広がったと感じています。
工夫した点は、デザイン面では、セーラー服のラインで使われている茶色をパンツに取り入れることで、上下が馴染むのではないかと考えました。また、機能面では、セーラー服は少し丈が短いので手をあげるような動作をしたときにお腹や背中が見えるという問題点がありました。そこで、スラックスの股上を深めのハイウエストにすることで問題を解決することができました。
スラックスには多様性配慮という思いもあります。制服のせいで学校に来られなかったり、高校生活をエンジョイできないというようなことがもしあるのであれば、自分たちが考えた制服を着て少しでも過ごしやすく楽しく生活してもらえればと思います。出来上がりは満足で、とてもかわいい制服なのでぜひ皆さんに着ていただきたいと思っています。
【岡山菅公学生服株式会社 長尾 桐帆(MPS進行担当)】
2021年度のMPS活動では、当初女子スラックスが実際の導入に至るかまでは実は決まっていませんでした。企画を進めるうちに、在校生や中学生へのアンケート調査などからさまざまなニーズが見えてきました。生徒全員が快適に学校生活を過ごせるように選択肢を増やしたい、という企画メンバーの熱い思いが学校全体を巻き込み、実際の導入に繋がったのだと感じています。
近年、性の多様性への配慮から女子スラックスの導入が全国で進んでいますが、セーラー服に合うスラックスというのはメーカーとしても一つの課題で苦戦していた部分があります。それが今回、生徒の皆さんの実際の着用をイメージした企画や斬新なアイデアから素敵な制服ができたと感じています。
現在の制服を維持しながら、アイテムを追加することでさまざまな課題を解決したり、より快適性を高められる一つの事例になったのではないかと思います。