菅原道真公(以下道真公)は平安時代に政治家・学者として名を残した方です。
道真公は文武ともに優れ、幼少の頃は5歳で俳句を詠んだという逸話が残される程の神童でした。その後天皇から高い位を与えられ政治家として様々な功績を残しました。
順風満帆だった道真公でしたが、ある時活躍を疎まれた事により都から太宰府(現在の福岡県)に左遷・降格され、太宰府にて不遇なまま人生を終えました。
しかし、没後すぐ道真公のこれまでの功績が改めて認められ、そして左遷に関わった人達に不幸が続いて訪れる不思議な出来事などもあり、道真公は神様=天神様として崇められるようになりました。
道真公は学問に大変秀でられた事から学問の神様として崇敬され、現在でも全国の天満宮(天神様)には多くの受験生が合格祈願におとずれています。
- 三代目社長 尾崎邦蔵
カンコー学生服は、1854年(安政元年)、岡山県倉敷市児島で創業しました。創業時は綿糸の卸業、その後1868年(明治元年)には袴や帯にする布を製織・販売していました。
1923年(大正12年)には、学生服の製造を開始。「三吉学生服」「海男児印」といった名前で売り出しました。
- 「菅公」の漢字を使ったホーロー看板
学生服のブランド名を「菅公」にしたのは、三代目社長 尾崎邦蔵です。創業の地である児島は、道真公ゆかりの地であり、天神信仰も盛んでした。学問の神様でもある天神様=菅公は、学生服のブランド名にふさわしいと考えたようです。
当時、他の会社が既に登録していた「菅公」の商標を交渉の末譲り受けました。そして1928年(昭和3年)、「菅公学生服」が初めて発売されたのでした。
道真公の生まれた日、太宰府に左遷された日、そして亡くなった日のすべてが25日だったことから、毎月25日は各地の天満宮で縁日が開催されます。中でも1月25日は「初天神」として特に大切にされています。初天神の日には、受験合格祈願に参拝される方も多いのではないでしょうか。
そんな初天神の日にちなみ、カンコーでは1月25日を「菅公学生服の日」と制定。子どもたちの学業成就と健やかな成長を祈る日としました。
道真公が太宰府に左遷された後、京都の屋敷にあった梅の木が道真公への思いを募らせ、一夜のうちに空を飛び太宰府に降り立ったと言う、不思議な伝説(飛び梅伝説)が残されています。
カンコーでは、全国の学校や制服店などに梅の木のボード「お願い梅ボード」を設置し、願い事を書いた梅の花に見立てたカードで花を咲かせるイベントを行っています。託していただいたカードは、飛び梅伝説に習って太宰府へ。天満宮に奉納し、成就を祈願しています。
カンコー学生服の由来となった菅原道真公は、学者でありながら政治の道を志し、世の中のために尽力した人です。その人生は波乱に満ちたものでしたが、現在では数々の逸話とともに天神様として多くの方に親しまれるようになりました。 菅公の名前をいただいた私たちカンコー学生服も、道真公のような強い信念をもって製品づくりや子どもたちの支援に取り組み、皆さまに愛される学生服メーカーでありたいと思っています。