実例校紹介
特徴のある事例を紹介します
岡山市立桑田中学校
制服検討委員会を12回実施。多様性に配慮しつつ、地域との連携を密に2年かけて生まれた新制服。
創立78年を越え、歴史ある地域、そして発展を遂げる岡山市の中核地に位置する桑田中学校。周辺には、岡山最大の商業施設や新聞社、テレビ局、大学病院があり、利便性の良い地域であるため、マンション建設なども進み、年々人口増加しています。下町の工場や田園なども多くみられ、歴史と最先端が共存している地域です。
2015年には公立中学校では珍しい6階建ての近代的な校舎が完成し、「平成29年度岡山市景観まちづくり賞」を受賞しています。
生徒数は813名であり、大規模校ですが落ちついた環境の中多くの生徒が意欲的に学びを深めています。特に生徒を主体とする生徒会活動は従来より活発です。
制服デザイン変更の経緯
近隣校が制服のデザイン変更を行う中、桑田中学校の制服も従来から採用が続いていた詰襟学生服とボックス型ジャケット、スカートといった伝統的なものでした。数年前に制服改定を検討したこともあったようですが、コロナなどの外的要因でその際には白紙になり、通常の生活がもどった令和4年に制服改定の検討を開始。LGBTQや多様性への配慮など学校現場での課題と、地域との連携を行い2年をかけ新制服が決定しました。
制服デザインの特徴
都会的かつ落ち着いたデザインの新制服。
男女兼用ブレザーに、過去、生徒会が起案し追加アイテムとしてある現行のリボンを元に白のラインを追加。ニットも4種類から自由に選択できるようにバリエーションを増やした。また、夏の半袖ポロシャツは透け防止素材を採用し、着心地と取り扱いの両面を叶えます。
point 1
生徒デザインのエンブレム
生徒会が主導となり全校生徒にデザインを募集。
桑田の「K」は「個性、感謝」の意味も含まれる。
point 2
現行リボンをバージョンアップ
過去に生徒会が起案したリボンデザインを基に新柄で作成。ネクタイも同柄。
point 3
4種類のニットを用意
ネイビー×白ライン、グレー×白ライン、ネイビー、チャコールのラインナップで価格とデザインのバリエーションを持たせた。
校長先生からのコメント(2025年3月時点)
都会的、経済的、取り扱いの利便性すべてを叶える制服を
制服検討委員会は、中学校、小学校、地域、PTA、など多くの方にご参加いただきました。
従来の制服については、現在70代の地域の方からも「私も着た」とお聞きするほど、歴史あるものでした。
桑田地区は古くから住まれている方も多く地域と学校は密接に繋がっています。
その皆さんが納得いただくため、本来1年で制服改定を検討していましたが性急することはないと考え、2年をかけて改定を行いました。
在校生は着ることはできないけれど、積極的に活動に参加
従来より、桑田中学校は生徒会活動がさかんでした。しかし、今回の制服改定については、在校生が考えても自分たちは着ることができないという現実があるため、制服改定に関する取り組みを行うことに心配がありました。
その心配は杞憂となりましたが、エンブレムデザインのコンテストや、新制服のお披露目ファッションショーなども生徒会が積極的に動き実現しました。
新制服をどのような思いで生徒さんに着用していただきたいか
多くの方にご協力いただき完成した制服です。桑田という地域は、本当につながりが深く、愛が深い。チーム桑田として、そして桑田中に所属しているということを意識しながら着用して欲しいと思います。
子どもたちには学校の教育過程にはもちろんしっかりと頑張って欲しいですが、「この制服でよかった」と思ってもらえればそれでいいなと思います。
多くの方の気持ちのこもった制服です。大切に着て欲しいですね。
副校長先生からのコメント(2025年3月時点)
制服は学生時代、桑田中時代しか着れないものです。胸を張って着てほしいなと思いますね。誇りとかプライドとか重苦しいものではなく、地元の公立学校に通っている、これがうちの制服なんだという意識でも着てもらえたらそれでいいと思います。
生徒の声
新制服の感想
「かわいい!お気に入りはスカートのデザインです。高校生みたい」
「むちゃくちゃかっこよくって、とても気に入りました。ありがとうございます」
学校生活の抱負
「吹奏楽の部活を頑張りたい!」
「サッカーを頑張りたい!」
「友達をたくさん作りたい!」
担当営業より

母校の制服を手掛けることができ、仕事においてのひとつの夢が叶ったのが桑田中の制服です。学校さまから要望書をいただいた時、今までにないほどのボリューム感と思いを感じ、身が引き締まる思いでした。当初より「都会的なデザイン」や「価格」「機能性」の要望はあり、自分自身も桑田という地域への愛情を示したいと思い取り組みました。
12回の制服検討委員会の実施もあり、たくさんのご要望がある中で、できることは行い、難しいことはしっかりと説明を行うことで、先生方や地域の方々にご理解いただき、納得したものが完成しました。
私のいち推しアイテムは夏の半袖ポロシャツで、オプションアイテムにも関わらず多くの方に購入いただけたことは本当にうれしいです。何度も議論を重ねたからこそ、地域にフィットした制服が出来上がったと、うれしく思っております。この新制服が岡山中心部の新たな景色となり、後輩たちの青春をサポートしながら地域に愛される制服になることを願っています。
引き続きアフターフォローにも気を配っていければと思います。