誰もが選びやすいスカートとは?

誰もが選びやすいスカートとは?
学生と考える新しい制服のかたち

2026.02.16

カンコー学生工学研究所は、子どもたちにとって真に豊かな未来を創出するイノベーションラボとして、想いを共有するみなさんとの共創の輪を広げながら商品開発を行っています。

今回は、2026年1月17日(土)開催の「学生ピッチコンテスト」に出場された専門学校岡山ビジネスカレッジ ファッションクリエイター学科のプロジェクトチーム※1との取り組みを紹介します。

※1 チームメンバー:荒谷心音さん、小川舜さん、竹本一椛さん、玉木李莉さん、津郷風太さん、辻由依香さん、能勢芽吹さん、宮下早季さん

 

 

「学生ピッチコンテスト」とは、倉敷ファッションフロンティア実行委員会が主催する「倉敷ファッションフロンティア2025 繊博」の一環で、服飾・被服学を学ぶ学生と企業が協力して様々なテーマに取り組み、その内容をプレゼン形式で発表するコンテストです。カンコー学生工学研究所は、プレゼンテーマとサンプル作成用生地の提供、アンケートの実施、発表内容に関するフィードバックをさせていただきました。

 

プレゼンのテーマは「ジェンダーフリーなスカートデザインと制服コーディネート」とし、性別を問わずさまざまな生徒がスカートを着用したい!と思えるきっかけとなるような、機能性をもったアイテムの提案をお願いしました。この難しい課題に対して、チームのみなさんは頭を悩ませながらも試行錯誤を重ね、巻きスカート・キュロットパンツ・レッグカバーの3アイテムを制作してくれました。

 

 

また、メンバーたちで設計した中高生対象のアンケート(全25問)には300名を超える生徒にご回答いただき、学生服の機能性やデザイン、組み合わせ、学生服が生徒に与える影響などについて、生の声をお聞きする貴重な機会となりました。

ご協力いただきましたみなさまに、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

アンケート結果(抜粋)

 

そして、チームのみなさんが考えてくれたデザインと実際のアイテムはこちらです。

アイテムの組み合わせによってスタイルを変えられる点が特徴で、たくさんのこだわりが詰められています。

 

たとえば、巻きスカートはキュロットパンツと合わせたときも一体感のあるデザインとなっており、さまざまな場面に合わせて使い分けしやすいところが、「自分の着たい制服をコーディネートできる」ポイントです。また、ジャケットを着たままでも取り外ししやすいよう、ベルトをあえて斜めに配置したそうです。さらに、レッグカバーは防寒対策としても活用できるなど、デザインだけでなく機能面も工夫されていて、着用者への想いが感じられる学生服となっています。

 

 

迎えた本番では堂々とした発表を見せてくださり、スライドの構成や制作アイテムの説明、プレゼンの話し方まで、練習を重ねられたことが伝わるものでした。

そして、コンテストの結果は……。

栄えある第1位を獲得しました!

チーム全員の努力が結果につながり、わたしたちも非常に嬉しく感じています。

 

コンテスト終了後に感想をお聞きしました。

 

Q. 取り組みを終えてどうでしたか?

・無事に発表を終えられたこと、アイデアが形になって賞をもらえたことがすごく嬉しい。

 これまでジェンダーについてあまり考えたことがなかったが、審査員の方に「いいな」と思ってもらえるものができたので、今後普及して
 くれたらと思う。

・高校では学ランを着ていて、自分がスカートを履くことになるとは想像していなかったが、今回の取り組みを通して少し価値観が

 変わった。

・目的に沿って学生服を制作するという経験から、学生服とは「ただ着るもの」ではなく「ちゃんと意味があるもの」だということを

 考えさせられた。

 

Q. アンケート結果のどのような点を参考にしましたか?

・無地よりもチェック柄、デザイン性が高いものよりシンプルなもの、といった結果を反映させた。

 自分たちの予想とは異なる結果もあって面白かった。

・「わざわざスカートを選ばない」という意見もあったので、好みに合わせて着脱しやすい巻きスカートのデザインを選んだ。

 また、「膝を見せるのが恥ずかしい」という意見から、キュロットパンツの丈感を調整した。

 

Q. 大変だった点や難しかった点はありましたか?

・案出しに一番時間がかかり、「誰もが違和感なく着用できるものってどんなものだろう」と悩んだ。

・「元々ないものを浸透させること」を考えるのはとても難しかったが、頑張れたところだと思う。

・学生服らしさや、学生服としての統一感を重視してアイテムを制作することが大変だった。

 

デザインという視点だけでなく、学生服の意義や価値を考えながら取り組んでくれたプロジェクトメンバーのみなさん、ありがとうございました。

 

 

この10年ほどで、学ランやセーラー服からブレザーに変える学校が増えたり、性別を問わずスラックスが着用可能になったりと、学生服の多様性が広がりつつあります。他方で、それだけでは生徒の多様なニーズに対応しきれていないという課題も痛感しています。そうしたなかで、今回新たな視点から考えてくださった学生服に大変刺激を受けました。

 

カンコー学生工学研究所はこれからも、「誰一人取り残さない制服・体操服づくり」のためにできることを考えてまいります。

 

 

(カンコー学生工学研究所 松丸)
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