カンコー学生工学研究所は「互いを認めあう ダイバーシティ」というテーマで様々な研究開発を行っています。
今回は、福祉と制服と学生をアートでつなぐ「エイブルアート・ユニフォーム」という新たなプロジェクトについて紹介します。
唐突ですが、筆者はアートが大好きです。感受性や創造性が刺激されることで、普段気が付かない多様な気持ちと出会うことができます。
そんな中、エイブルアート※1といわれる知的障がいの方が描いたアートに巡り合いました。アーティストがどのようなバックボーンを持っているのか、それはもしかしたら重要なことではないかもしれません。しかし、知ることでより心が動くこともあるものです。
※1 エイブルアートとは、障がい者芸術を捉え直す運動のこと。エイブルとは可能性という意味で、アートの可能性や人間の可能性を再発見し、誰もが豊かに生きる社会を目指す。
私たちがダイバーシティの観点で制服を見つめ直していく活動をする中で、このアートとの出会いはひとつの大きなきっかけになりました。このアートをユニフォームに取り入れることができたなら、描いた人・着る人・見守る人を通して、福祉とのやさしい接点が生まれるかもしれません。そんなワクワクした想いで、アートをプリントした制服・体操服を研究サンプルとして創り、2023年11月に大阪で開催された弊社展示会にて「エイブルアート・ユニフォーム」として発表させていただきました。
アーティストとして参加いただいた、宮本憲史朗さん、佐々木省伍さん、小早川桐子さん、本当にありがとうございました。
着用していただいたモデルの皆さんには「かわいい!」との第一声をいただきました。その笑顔に思わず私たちも笑みがこぼれます。撮影した写真とサンプルを持って、アーティストの宮本さんが所属するスタジオを訪問すると、拍手とともにスタジオの皆さんの笑顔がはじけました。その時、この「エイブルアート・ユニフォーム」には人を笑顔でつなげる力があるのだと実感しました。
学生たちにユニフォームとして着用してもらえる日が来るよう、実運用を目指して研究を進めていこうと思っています。
アートを提供していただいたAble Art Company(エーブルアート・カンパニー)と、アーティストのお一人である宮本憲史朗さんが所属しているstudio FLAT(スタジオフラット)の皆さんにはご協力いただき感謝の気持ちでいっぱいです。また、すてきな記事にもしてくださいましたので、合わせて紹介させていただきます。