高校生の社会課題に対する意識を探る。

高校生の社会課題に対する意識を探る。

2023.05.26

新学習指導要領に「持続可能な社会の創り手の育成」が明記され、授業でもSDGsについて学んだり、環境保全やジェンダーについて考えたりと社会課題を授業で取り上げる学校が増えています。日常的に見聞きする機会が増え、子どもたちの社会課題に対する意識は今どのようになっているのでしょうか。
カンコー学生工学研究所が、高校生500名を対象にアンケート調査を実施したところ、高い関心を持つことが明らかになりました(図1)。

図1
気になっている、解決すべきと思う社会課題が1つ以上ある(単数回答)
  • ・約7割の生徒が、気になっている・解決すべきと思う社会課題が1つ以上あると回答

解決に向けての行動に対する意識。

ここからは、課題解決への自身の行動に対する意識について、結果を紹介します。
まず、「ボランティアなどの社会活動に参加したい」については、「非常にそう思う」「ややそう思う」をあわせると約6割が参加したいと回答しています。同様に「非常にそう思う」「ややそう思う」をあわせてみると、男女別では、男子が51.6%、女子が66.4%と、女子の方が社会活動への参加意欲が有意に高いことがわかりました。また、学年別では、3年生が62.4%と最も高い回答でした(図2)。

図2
ボランティアなどの社会活動に参加したい(単数回答)

次に、「自分の行動で社会課題の解決に少しでも貢献することができる」については、「非常にそう思う」「ややそう思う」をあわせると約6割が少しでも貢献できると回答しています。同様に「非常にそう思う」「ややそう思う」をあわせてみると、男女別では、男子が66.0%、女子が62.4%と、男子の方が社会課題解決に対する自己効力感がやや高い傾向がみられました。また、学年別では、1年生が67.1%と最も高い回答でした(図3)。

図3
自分の行動で社会課題の解決に少しでも貢献することができる(単数回答)

「社会は自分たちの手ではどうにも変えられない」については、「非常にそう思う」「ややそう思う」をあわせると約半数の高校生が自分の手で社会を変えられないと回答しています。同様に「非常にそう思う」「そう思う」をあわせてみると、男女別では、男子が48.0%、女子が56.4%と、女子の方が社会の変革に対して無力さを感じる割合がやや高い傾向がみられました。また、学年別では、2年生が55.5%と最も高い回答でした(図4)。

図4
社会は自分たちの手ではどうにも変えられない(単数回答)

※図1~4
資料:カンコー学生工学研究所 2022年8月 全国の高校生500人を対象にインターネット調査を実施
※グラフの数字は、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

子どもたちが社会とつながる場づくりを

今回の調査で、高校生が社会課題への関心やその解決に向けた活動への参加意欲を持ちつつも、自身の行動の効果については消極的に捉えているということが明らかになりました。
子どもたちが自身の行動の先にあるものをポジティブにイメージできるようになるためには、社会との接点をつくり、つながりを感じられることが大切なのだと考えます。カンコーでは以前より、子どもたちにとって身近な衣服である制服や体操服を通じて社会課題解決への理解が深められるよう、全国の学校でSDGsに関するセミナーの実施や、生徒からのインタビュー調査に積極的に応じてきました。
これからも、子どもたちが気づき、学び、そこから行動に移したいと思った時に後押しとなるような、社会とのつながりを感じられる場の提供を続けていきたいと思います。

(カンコー学生工学研究所 松田)
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