衣類用漂白剤の正しい使い方。

衣類用漂白剤の正しい使い方。
塩素系漂白剤・酸素系漂白剤別に紹介。

2021.04.26

衣類用漂白剤を正しく理解。

衣類用漂白剤(以下漂白剤)の正しい使い方を知っていますか?
「漂白剤の使用頻度」のアンケートを実施したところ、「ほぼ毎日使用する」「時々使用する」の回答が合わせて79.1%と、多くの人が使用していることが分かりました。(図1)
しかし、取扱い絵表示タグに書かれている漂白剤の取り扱いの洗濯絵表示マークを見たことが「ある」という人は18.8%と低い傾向となっています。(図2)
そこであらためて、漂白剤の使用方法について理解を深めていきましょう。

資料: カンコー学生工学研究所 2019年 中高生の母親459人に調査実施

洗剤と漂白剤の用途について。

多くの場合、衣類に染み付いた汚れは生地の繊維に絡んでいるだけなので、洗剤に含まれる界面活性剤が汚れを包み込むことで落とすことができます。
ただ、汚れによっては時間の経過などにより「化学結合」※1してしまうものがあります。そのため、普通の洗剤では汚れをおとすことが難しくなります。
生地に付いた、シミをきれいにするには「汚れの物質」の分解、つまり、シミの色素を分解する漂白剤が必要になります。(図3)

※1化学結合…分子レベルで繊維と汚れが結合した状態。

図3
洗剤と漂白剤のメカニズムの違い

塩素系漂白剤・酸素系漂白剤の特徴と使い方。

洗濯で使用する漂白剤は、主に「塩素系」と「酸素系」があります。

 

■塩素系漂白剤
非常に強力な漂白力。基本的に綿やポリエステルなど、アルカリ性に強い繊維の「白物衣類」にのみ使用可能です。

 

■酸素系漂白剤
染料を脱色しないで、汚れだけを落とすので、白物・色柄物両方に使えます。シミ・汚れを落としたり、黄ばみ・黒ずみを防いだり、消臭・除菌効果があります。液体タイプと粉末タイプがあり、液体タイプの方が幅広い衣類に使用できます。(図4)

図4
漂白剤の種類と特徴

続いて、使用方法を説明します。
まず、衣類についている取扱い絵表示タグを確認しましょう。(図5)
漂白剤に記載されている注意書きに従って、使用できるかどうか適切な種類を必ず確認してください。使用できる場合でも衣類の目立たない部分に少量の漂白剤をつけて、色落ちがないかチェックをすることも効果的です。
また、シミや頑固な汚れを落とす場合はつけ置き洗いも有効です。

 

しかし、漂白剤は使い方を間違えると思わぬ事故を起こす可能性もあるので注意が必要です。
【注意事項】

 

■塩素系漂白剤

・白物衣類でもシャツに使用すると、襟や袖口の芯地部分が黄色く変色する恐れがあります。
・体操服では、学校マークの剥離や個人名刺繍の変色などの影響があります。
・生地によっては、繊維自体を溶かす可能性があります。
※上記の理由により、カンコーの製品は使用不可としております。
・酸性の洗剤や物と混ざると塩素ガスが発生することがあるので注意が必要です。

 

■酸素系漂白剤
・粉末タイプはウールやシルクといった動物性繊維を縮ませることや、変色を起こす可能性があります。ファスナーやボタンなどの金属系の附属は、塗装がはがれる可能性もあり、サビの要因ともなります。

・液体タイプは粉末タイプよりも刺激が少ないため、汎用性が高いです。

 

■つけ置き
・長時間のつけ置きは繊維を傷めてしまうほか、色柄物の場合は色落ちをしてしまう恐れがあります。

図5
洗濯絵表示解説

正しく使って清潔な毎日を。

漂白剤は正しい使い方をすれば、汚れ落としの心強い味方になりますが、使用方法を間違えると様々なトラブルの原因となります。
使用方法は漂白剤の種類や成分、また衣類により異なりますので、各製品の使用方法・注意事項を確認し、ご使用ください。
衣類を長持ちさせるために、正しいお手入れ方法を知ることで衣類を清潔に長持ちさせることができます。

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