カンコー学生工学研究所では、年々激しさを増す夏の暑さに適応するため、衣服内の湿度を快適に保つファン付きウェアの研究を行っています。
人間の身体は、体温が上昇すると汗をかいたり、体表面から熱を放散したりして適切な体温に調整しようとしますが、衣服内の湿度が高いと汗の蒸発が制限されてしまい、熱中症になりやすいと言われています。そこで、制服・体操服に合わせる新たなプラスワンアイテムとして、衣服内の湿度を下げることに特化した「ファン付きウェア」が必要なのではないかと私たちは考えています。
過去にファン付きウェアについて紹介した記事はこちらです。
学校における熱中症対策を考える。湿度に着目した新たなアイテム。
菅公学生服は2025年4月より、農業高校向けにファン付きウェアの販売を開始しました。
屋外やハウスなどの暑い環境で長時間実習を行う農業高校では、特に熱中症対策の必要性が高まっています。
そのような背景から、岡山県内の農業科のある高校2校で自由購入品として今年から導入されます。
ただし、ファン付きウェアはすでに多くの製品が市場に出回っており、どの商品を選べばよいのか分かりづらいのが現状です。
そこで今回、カンコー学生工学研究所で調査したデータを基にファン付きウェアの選び方について説明会を開催しました。
本記事では、その説明会の様子を紹介します。

岡山県立瀬戸南高等学校様(4月22日)、岡山県立興陽高等学校様(5月2日)での説明会にて、ファン付きウェアを選ぶ際のポイントを風量・安全性・衛生面の観点から紹介しました。
特に風量に関しては、カンコー学生工学研究所の調査データを用いて詳しく説明しています。
実験では信州大学の人工気象室(温度33℃/湿度55%)を用い、ファン付きウェア未着用、8Vのファン付きウェア着用、18.6Vのファン付きウェア着用の状態で運動した場合の衣服内湿度を測定しました。※1
その結果から、ファン付きウェア(18.6V)を着用することで、未着用時に比べて衣服内の湿度が最大約40%低下することが確認されています。
さらに、ファン付きウェア(8V)と比較しても、最大約14%の湿度低下が見られました。
生徒様一人ひとりの発汗傾向に合わせ、適切な風量の選択が大切であることをお伝えしました。
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当日は代表の生徒様に実際に着用いただき、「とても涼しくて快適!」との嬉しい感想をいただきました。
また、説明会のあとには風の強さや取り扱い方法などを質問しに来てくださる生徒様もいらっしゃり、多くの方に関心を持っていただけた様子がうかがえました。
農業を学ぶ生徒の皆様が夏の実習を少しでも快適に過ごせるよう、カンコー学生工学研究所は今後もファン付きウェアの普及に力を入れてまいります。
実際にご購入いただいた生徒様の声も今後紹介する予定ですので、次回の記事もどうぞお楽しみに。
(カンコー学生工学研究所 武内)
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