
近年、教育現場におけるデジタル化が急速に進み、タブレットなどのデジタル端末は学生生活の必需品となりつつあります。文部科学省がGIGAスクール構想※1を推し進めるなかで、この流れが止まることはないでしょう。とはいえデジタル端末は他の文房具と違って壊れやすい精密機器。破損によるトラブルはたびたび発生しているようです。そこで、カンコー学生工学研究所は子どもたちの学習用デジタル端末の使用実態について調査しました。今回はその結果を紹介します。
※1 GIGAスクール構想とは、1人1台のデジタル端末配布と大容量通信ネットワークの整備等により、誰一人取り残さなく個別最適化された学校教育の実現を目指す取り組みです。
【調査対象】
学習用デジタル端末を使用する中学校・高校の生徒を子どもに持つ保護者1,292人
【調査方法】
インターネットリサーチ
【実施期間】
2024年12月
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デジタル端末の保管・持ち帰りの状況について
最も多かったのは、「学校が主だが自宅に持ち帰ることもある」次いで、「学校と自宅半々」であり、全体の約8割以上が「持ち帰りの機会がある」状況にあることが分かります。(図1)
この結果から、GIGAスクール構想のもとで1人1台端末が配布され、家庭学習や宿題などでの活用が進んでいることが考えられます。

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学校から自宅への持ち運びの際にデジタル端末を破損・故障させない工夫
多くの生徒がデジタル端末を持ち運ぶ際に一定の工夫をしていることが分かります。
最も多かった回答は「デジタル端末専用ケースを使っている」であり、約半数の生徒が端末を保護するための専用ケースを使用していることが示されました。このことから、学校や保護者が推奨している、ケースの利用が広く浸透していることが分かります。(図2)
しかし「特に何もしていない」という回答も一定数存在しており、3割以上の生徒が端末の保護対策を講じていない状況が明らかになりました。

- デジタル端末使用時の破損・故障の経験と原因について
「故障していない」と回答した人が84.0%で、「故障した経験がある」と回答した方が8.3%となりました。(図3)
デジタル端末は学生生活の必需品のため、8.3%の生徒が「故障あり」と回答している点は無視できません。
そこでデジタル端末の破損・故障した経験について質問したところ、特に登下校時では「自宅への持ち運び時の落下」(19.2%)や「水没」(5.4%)が、主な破損・故障原因となっていることが分かりました。(図4)
デジタル端末は精密機器であり、落下や水没といったトラブルによる故障のリスクは常に存在します。
図2のグラフであるように学校での使用や自宅への持ち帰りの際に対策をとっていない方が33.4%いるので、こうしたリスクが高まる可能性が十分に考えられます。


文部科学省がGIGAスクール構想を推し進めるなかで、タブレットなどのデジタル端末は学生生活の必需品です。
1人1台が手元にある前提で授業内容も組み立てているので、故障してしまうと学びの損失につながります。
そのような事態を防ぐべく、カンコー学生工学研究所では、登下校のタブレットの故障リスクを軽減するために
耐衝撃性・耐浸水機能であるタブレット保護スペースが付いたリュックを開発しました。
※詳細 前回記事こちら
デジタル端末が必需品の時代へ。 GIGAスクールと通学リュック。
実際に学生生活でこんな機能があったらいいなという皆様の声を取り入れて、学びの環境を整えられる商品開発を行ってきます。
(カンコー学生工学研究所 田代)
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