「やさしい」ワイシャツ

「やさしい」ワイシャツ
試着会レポート<前編>

2023.10.11

感覚過敏の子どもたちも安心して着用できるよう制服の研究を始めて約2年。第1弾として開発したワイシャツがようやく形になり、2023年9月に試着会を行いました。今回は、2日にわたって行った試着会1日目の様子を紹介します。

 

試着会を実施するにあたり、感覚過敏研究所所長の加藤路瑛さんが運営する感覚過敏当事者コミュニティ「かびんの森」やSNSにて中高生の参加を募り、多くの方々にご参加いただきました。 当日は加藤さんも会場にお越しいただき、時間を分けてお一人ずつ丁寧にヒアリングを実施。 普段着られている衣服や苦手な風合いなどを伺った後、実際にワイシャツをご着用いただきました。

 

皆さんが苦手だとおっしゃっていたのは「タグ」。保護者の方が切ることもあれば、たまらずに自分で切ってしまうこともあるとのことでした。 また生地についても、保護者の方が肌ざわりを確認し「これなら着られるんじゃないか」と購入しても、いざ本人が腕を通してみると苦手な風合いだったということもよくあるそうです。

ワイシャツを実際に着てくださった皆さんからは「全然大丈夫!」「気になるところがない!」と評価をいただきました。 着られるはずがないからと、制服のようなフォーマルな服装をしたことがなかった方もいらっしゃり、鏡の前で少し照れくさそうにされていたのが印象的でした。

ある保護者の方からは「嫌なものを着るとソワソワと落ち着きがなくなるけれど、このワイシャツを着ても自然に落ち着いています」と教えていただき、 自分たちのやってきたことは間違いじゃなかったと感じました。

 

ただ、やはり一番上のボタンは苦しさを感じるためとめられない方がほとんどでした。 それ故に一番上は外していてもフォーマルに着こなせるボタン位置を評価いただきましたが、首回りの寸法を変更するなどまだまだできることはありそうです。ネクタイをつける場合は新たな課題も発生しそうだということも分かりました。

今後の取り組みに大変参考になるご意見をたくさん頂戴し、協力いただいた方々への感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!

 

(カンコー学生工学研究所 松田・澤埜)

この記事に関するお問合せはこちら

SHARE
  • LINE
  • twitter
  • facebook