学生服の歴史は長く、初めて学生服が誕生したのは、明治12年(1879年)と言われています。それから約140年経過した現在、時代とともに制服は進化を遂げ、様々な機能が採用され、デザインや着心地も変化しています。
今、学生たちが制服にのぞむことは何でしょうか?カンコー学生工学研究所が独自に行った調査結果をご紹介します。
第1位は「清潔性」。
「学生たちが制服にのぞむことは何か」を探るため、2019年に中学生・高校生1,000人を対象にアンケート調査を行いました。調査では、まず学生たちに、「人気の高い、かわいい・かっこいいデザイン」「ストレッチの効いたスーツ素材で動きやすい」など制服に関する21の項目を提示して、『制服に必要だと思うこと』を最大5つ選んでいただきました。そして21の項目を清潔性、季節に対応、成長に対応、動きやすさ・着心地、デザイン性、安心・安全、多様性の7つのカテゴリに分け、集計しました。
結果は、1位『清潔性』、2位『季節に対応』、3位『成長に対応』となり、上位3位までは中学生、高校生ともに一致する結果となりました。(※図1,図2)
1位の『清潔性』は、2位以下に比べ200ポイント以上高く、「家庭で洗濯できる」「水や油をはじき、汚れにくい」「バイキン(菌)やニオイに強く、におわない」ことを制服にのぞんでいることが分かります。
2位は『季節に対応』となり、「暑さ寒さに対応した工夫を施している」「オールシーズン対応で、通年で着ることができる」が重視されています。
『成長に対応』に関しては、中学生、高校生ともに3位となりましたが、細かな項目を見ていると違いがあることが分かり、中学生では「成長に合わせ、袖や丈が伸ばせる機能がついている」、高校生では「サイズの種類が豊富で、自分にぴったりのサイズを選べる」となり、求められる内容が変化しています。
4位は、中学生は『動きやすさ・着心地』、高校生は『デザイン性』と違いがあり、高校生はおしゃれへの関心の度合いが関係しているのではないかと私たちは考えています。
資料: カンコー学生工学研究所 2019年3月 中学生・高校生1,000名に調査実施
※内訳
男子中学生250名、男子高校生250名
女子中学生250名、女子高校生250名
学生たちにとって必要なものは何かを問い続ける。
学生たちは毎日制服を着用し学校に通い、授業を受けます。多くの時間を制服とともに過ごす学生たちにとって、制服に最ものぞむことは「清潔性」ということが今回の調査から分かりました。また、季節対応など一年を通して、そして成長に合わせた機能など卒業まで長く着用できることも重要視されているようです。
授業のオンライン化や制服の多様化など時代は大きく変わっています。そして時代に合わせて、学生たちが制服にのぞむことは変化していきます。様々な声を聴き、また未来を見つめ、「学生たちにとって必要なものは何か」を問い続けながら様々な研究・商品開発を行っていきたいと思います。