学生工学研究所は「誰一人取り残さない制服・体操服づくり」を目指しています。まだ可視化されていない子どもたちの悩みを調べていくうちに感覚過敏という言葉に出会い、これまで感覚過敏の子どもたちが快適な学校生活を送れるよう研究開発を進めてきました。
そうした感覚過敏に関する取り組みのうちの1つ、カームダウンボックスについて紹介します。
今回は、品川区立浜川小学校様に設置させていただいて約1か月半経ったころの児童の様子やボックスの工夫について伺ってきました。
学校へ伺った時に、まず目に飛び込んできたのは、このボックスのデコレーションでした。授業の一環として児童のみなさまが制作した作品をボックスにも飾っていて、学校のオリジナルとなりとても素敵でした。
その他にも設置された際に先生方から出てきたアイデアがボックスに取り入れられていました。
ボックスに取り入れられたアイデア(設置時にいただいた学年団の先生方からのコメントより)
・安全性の確保:椅子は倒れたりして危ないと思うので、マットを設置して床に座れるようにしてもいいかもしれない。
・使用状況の可視化:
ボックスはダンボールでできていますが、1カ月半経っても設置時のままとても綺麗な状態でした。
児童のみなさまにも大切に使用してもらえている様子を感じることができうれしい限りです。
また、カームダウンボックスを使用した児童を担当している先生方に話をお聞きしました。
担当されている先生方からのコメント(抜粋)
・初めにこのボックスの使い方を児童たちに説明した。最初は飛び出してしまう児童が中心に使っていたが、最近は少しリフレッシュしたい児童も使用するようになった。
・授業に参加し続けることが難しい児童がいたので「行ってみたら?」と促した。児童は10分ほど使用した後、再び授業に参加できた。
・これまでは授業中に教室を飛び出し校内を歩き回っていたため、どこで過ごしているか見守る必要があった。
このボックスがあることで児童にとってもどこに居たらいいかわかりやすく、こちら(先生)としてもどこにいるかわかるので安心できる。
・ボックスがない時は落ち着こうと廊下のくぼみにいても、誰かが通ることで途切れてしまいなかなか落ち着けなかった。
ボックスがあることで、落ち着くことに集中できるため、かかる時間が減った。
先生方の積極的な活用を通じて、「児童が授業に参加する機会が増えた」という変化や、「居場所がわかることで先生方も安心して見守れる」といった声をいただき、カームダウンボックスの有効性や安心して利用できる可能性を感じました。
今回は浜川小学校様の紹介でしたが、学校ごとに設置場所や使用ルールは変わるかと思います。導入時に児童・生徒や先生方に安心していただけるよう、学生工学研究所はこれからも様々な事例を集め発信していきます。
