現代の女子高校生は、自身の体型をどのように思っているのでしょうか?独立行政法人 国立青少年教育振興機構では、高校生を対象に心と体の健康について調査をしています。女子高校生について見てみると、「普通体重」の割合は71.2%、「肥満」の割合は5.0%でした(図1)。また、体型に「満足している」と回答した男子高校生が46.2%に対して、女子高校生は23.0%と約2割にとどまっており(図2)、標準体型に分類された人でも41.6%は「少し太っている」「太っている」と自己認識しているという結果を報告しています。そこには、自分の外観(見た目)を気にしている子どもたちの気持ちが感じられます。
※図1,2
資料:独立行政法人 国立青少年教育振興機構 平成30年3月「高校生の心と体の健康に関する意識調査報告書」のデータを基に作成
今回は、カンコー学生工学研究所が実施した、女子高校生600人を対象とした衣服と身体の関係についての調査結果から、制服の可能性を探っていきたいと思います。
私服購入時に重要視する点とシルエットへの意識。
私服を購入する際、もっとも重要視する点について質問したところ、「デザイン」が58.5%、次いで「シルエット」が12.5%、「サイズ」9.7%、「動きやすさ」9.7%となりました(図3)。この結果から、まずは自分の好みに合った「デザイン」を選択することがわかりました。
次に、2番目に重要視されていた「シルエット」の項目に絞り、私服を購入・試着する時、シルエットをどのくらい意識するかを質問しました。「意識している」「やや意識している」をあわせると約9割となり、衣服選びにおいてシルエットへの意識はとても高いことがわかりました(図4)。
身体形態における理想と現実の差と満足度。
次に、自分の実際の身体形態と理想とする身体形態にどれくらいの差があるかを見るために、18項目の身体形態について、大きい・小さい、太い・細い、長い・短いなどの指標レベルを質問したところ、すべての項目で差があることがわかりました(図5)。特に脚に関する項目(太もも、ふくらはぎ、脚の長さ、足首)の差は大きく、より細く、より長くありたい、上半身ではより細いウエスト、腕でありたいという意識が見られました。
また、身体形態についての満足度を質問したところ、不満足と思っている上位には、長さよりも「太さ」を意識する部位が入っていました(図6)。
※図3~6
資料:カンコー学生工学研究所 2019年3月 全国の女子高校生 600人を対象にインターネット調査を実施
子どもたちのカラダとココロに寄りそった商品開発。
今回の調査から、女子高校生が衣服購入時に重要視している点や、身体のどの部位を気にしているかが明らかになりました。
カンコーでは、すべての体型・体格の子どもたちが快適に過ごすことができる制服パターンの研究開発をしています。その中のひとつとして、今回のような気になる部位がある子どもたちのニーズにも応えられる、全体のシルエットバランスが良く、気になる部位もカバーできる制服を開発しています。
子どもたちは1日の3分の1という長い時間を制服で過ごしています。制服を着ることで理想の自分に少し近づき、快適に学校生活を過ごすことができたなら、それは、子どもたちの健全なカラダとココロを育てることにもつながるのではないかと考えています。カンコー学生工学研究所では、今後も子どもたちに寄りそった商品開発をするための調査・研究に取り組んでいきます。
(カンコー学生工学研究所 安木)
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