“好き”や“得意” を輝かせる

“好き”や“得意” を輝かせる
エイブルアート×ほんじょう寺子屋

2025.04.18

カンコー学生工学研究所では、福祉と制服と学生をアートでつなぐ「エイブルアート※1・ユニフォーム」プロジェクトを展開しています。今回は、本庄東高校の皆さんがエイブルアート・Tシャツを着用して「ほんじょう寺子屋」にてボランティア活動を行った時の様子について紹介します。

※1 エイブルアートとは、障がい者芸術を捉え直す運動のこと。エイブルとは可能性という意味で、アートの可能性や人間の可能性を再発見し、誰もが豊かに生きる社会を目指す。

2025年3月27日・28日の2日間、埼玉県本庄市の安養院にて、NPO法人ほんじょう寺子屋主催のもと、市内の小学生45名が参加し「春寺縁日」と題した寺子屋体験が開催されました。
今回のプログラムは、チームで考えたゲームの模擬店を作り、完成後にみんなでお店を楽しむという内容でした。企画の中心を担ったのは、本庄東高校ボランティア部の高橋さん。「やってみたいを叶えよう」をテーマに、①主体性を育む、②自分自身を見つめるきっかけづくり、③ボランティア同士の親睦を深める、の3つを目的に計画されたそうです。

 

1日目は、的当てや魚釣り、カーレースなどのチームごとに分かれて計画書を作成してから、作業に取り掛かりました。2日目の午前中には、工作の続きを行い完成させ、午後からは店番の子と遊びに行く子に分かれて実際に模擬店を楽しみました。ゲームの得点も子どもたち自身が考え、ルールや内容にも子どもたちの個性が光っていました。

私たちは、エイブルアート・Tシャツに込めた想いを伝えるため、今回の寺子屋の趣旨に合わせて、手作りの「紙芝居」を用意しました。
保護者も参加した終わりの会でお時間を頂戴し、紹介させていただくことになりました。普段美術館でしか見ることのできないアート作品が、Tシャツになることで「歩く美術館」になるという内容の紙芝居です。

 

本庄東高校ボランティア部のエイブルアート・Tシャツに使われている作品「5月の草むら」は、小早川桐子さんという障がいのあるアーティストの作品で、「得意なことを活かして仕事をしている人もいる」こと、それぞれが個性を輝かせて社会で活躍できること、“好き”や“得意”を大切にしてほしいことをお話ししました。

 

子どもたちは真剣に耳を傾け、うなずきながら聞いてくれました。アーティストの方が“好き”を仕事にしているという点は、今回の寺子屋のテーマとも重なる部分があり、子どもたちにとって印象に残っていたら嬉しいです。
また、「5月の草むら」を使った手作りのしおりをお渡しすると、子どもたちはとても喜んでくれました。

子どもたちが意見を出し合って楽しむ空間に、エイブルアートが親しみやすさや楽しさを添えていたように感じられた貴重な時間でした。Tシャツを通じてエイブルアートを身近に感じてもらうとともに、その想いが子どもたちに届いていることを願っています。

 

これからもエイブルアート・ユニフォームを通じて、さまざまな場面で人と人、地域と学校、アートと日常をつなぎ、より多くの人々にその魅力を伝えていきます。

 

「春休み寺子屋体験2025 春寺縁日」についての詳細は、主催団体であるNPO法人ほんじょう寺子屋のウェブサイトをご覧ください。
https://honjoterakoya.com/haruyasumiterakoya2025

 

(カンコー学生工学研究所 廣畑)

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