2016.11.14 保護者向けコラム 今の時代 不登校 は珍しくない?
いじめや人間関係(コミュニケーションツール)が多様化する現在、不登校児童生徒数は年々増加し、今では全国で12万人3000人。と言われています。これは湯の町別府の人口と同じ。これほど不登校に悩む子ども達がいます。
どんな子も 将来 不登校になる可能性がある。
少々言い方が適していないかもしれませんが…これが「まずは 重要なポイント」だと 私は 思っています。
もしもの場合 焦ってしまうのか?こういった事実を覚悟しておき どっしり構えサポートできるか?で課題解決のスピードが変わってくると思います。
それを基本に 我が子が不登校になった場合 親として最善の応援方法とは何か?
これまで多くの不登校に悩み、そして復活していった親子のカウンセリングを担当させて頂きました。その経験から 幾つかのキーワードをあげさせて頂きます。
「お母さんの課題ではない事を理解する」
お母さん達の中には「私の子育てが悪かった」「母親として失格です」などと自分を責める方がいらっしゃいますが、私はそうは思いません。
なぜなら 不登校になった原因は お子さんの身の回りに起こった事であり、その課題を乗り越えるのは 子ども自身であって お母さんの課題ではないのです。
それをお母さんが「自分の問題」として抱え込むとどうなるのか?思春期の子どもでも、表面上はそっけない態度を取るものですが、どんな子どもも心の内は「親が大好き」です。
そんな大好きな存在の親が落ち込んでいる姿を見ると、
- 自分のせいでお母さんを苦しめている…
- お母さんにそんな想いをさせる自分は最低だ…
と、本来 乗り越えなければならない課題に向き合わず、問題や悩みが別方向に向いてしまいます。課題に取り組むべきは子ども自身。親は応援者という立場を常に意識する事が大切だと感じます。
「待つ」ことこそが最大の応援
もう一つ お母さんに多い言葉の一つに「待つしかできないんですか?」もあります。
「待つ」
言い換えれば「子どもを信じ、自分で考える時間を与えてあげる」
もっと簡単に言えば「見守る」
実は これこそが 親しか出来ない素晴らしい応援方法だと 私は思います。どんな子も必ず自分で考え、乗り越える力があると信じています。ただスタートを切るための準備期間が必要なのです。
今は「何も考えていない」「楽な方を選んでいるのでは?」と感じるかもしれませんが、スポーツと一緒。全力を出す前には必ずストレッチが必要だという事も忘れないでください。
「見守る」と「見張る」は違う
見守るが大切だとお伝えしましたが、「見守る」と「見張る」は違う事も意識してみてください。
見守るつもりが 少し調子が上向くと ついつい「見張る」に変わり「こうしてみたら?あれもしてみなさい。明日は行こうね!」と指示・命令・約束が多くなってしまいます。
見張られていると子ども達の意識は、自分の課題克服ではなく、我々 親の目標達成に向いてしまいます。
そうなると、無理をして学校に行ったとしても 無理した反動でまた逆戻り。そして自信を無くしてしまう。ということも良くあります。
たまに「見張るに変わっていないかな?」と意識することも大切なのかもしれません。
当たり前の生活を当たり前に
見張るはダメだと言いましたが、親として制限すべき事もあります。
それは「生活リズム」
学校に行かなくても 朝は家族全員の時間であり 当たり前に起きる。
学校に行かなくても 家族で決められたお手伝いはきちんとする。
学校に行かなくても 勉強を少しはしようとしてみる。
できれば 家族で一緒に夕飯を囲み、夜には「おやすみ」を言い合う。
など、生活リズムを守ってあげる事はとても大切だと思います。
生活リズムが崩れてくると 子どもは「自分はダメな人間だ」と自己否定を始める場合が多くなります。
生活リズムを当たり前にする事は「サボっている訳ではないんだ」「他のことはきちんとしている」と 子どもの自己否定を防ぎ、自信に繋げる事になります。
その自信は 課題解決の勇気へと向かっていくはずです。
ゴールは「今」ではなく「未来」
不登校に限らず、我々 親は ついつい子どもの「今」ばかりを見がちです。
愛する我が子の最終目標は「自分らしく 幸せに生きる」です。
例え 今は学校に行けなくとも、その経験を糧にさせ 将来社会で羽ばたく人材になれば良い。その為には 今の時間をどう親子で過ごすか?そんな事を少しだけ意識すれば、少し余裕を持って サポートに取り組めないでしょうか?
あなたのお子さんは きっと自分のタイミングで 自分の力で 乗り越えてくれるはず!その時にそっと背中を押してあげましょう。
プロフィール
心理カウンセラー つだ つよし、さん
大分県の高校を卒業後、吉本興業福岡事務所に所属。その後、大分に戻りタレントや構成作家として地元メディアに関わる。子どもたちの夢を応援する番組「ダッシュくん」がきっかけで心理カウンセラーの資格を取得。不登校の子どもたちへの支援活動を行うとともに、全国の教育現場で子育て・教育をテーマとした講演活動も行っている。
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